オーダージュエリーリピーターのH様からこんなお問い合わせのメールがありました。
「昨秋に初孫が誕生したのですが、サプライズでオリジナルの印鑑を贈りたいと思ってます。印鑑はユンヌさんの仕事の範疇でしょうか？」
H様のご要望にお応えして、お祖父様から初めてのお孫さまに贈る“世界にひとつだけの印鑑”制作に取り掛かる事になりました。

まず初めに、H様の案は「名前や誕生日を石や彫金等でデコレイトしてはどうか？女の子なので持ち手は多少独創的なものが良い。出来れば素材からお任せして、寸法は1.35センチ×5センチ程度、上向きが分かる目印を考える」と言うものでした。正に実印として使える大きさですね。

お孫さまのお名前、生年月日をお聞きした上で、色々とイメージを膨らませていきました。H様にインタビューをしたところ「香水が匂い立つような気品に満ちた女性に育って欲しい」「孫娘がこの印鑑を婚姻届に押すのを見届けたい」との強い思い入れがあるのだそうです。優しいお祖父様ですね！

Shutterstock.comより

何案かご提案してやり取りした結果、11月2日の誕生花ユリオプスデージーの花びらをイメージした香水瓶風のフォルムをシルバーで、下部にアクセントのイエローゴールドを使い、首元には上下の目印になる誕生石のシトリン、後部にはメッセージを刻印したデザインに決定しました。

SV925/K18YG,シトリン

素敵なメッセージ入り

お祖父様へこんなメッセージが届いたそうです。

「玉手箱を開けて驚きました。これ、印鑑なの？って。立派過ぎて、押印の際には思わず緊張してしまいそうです。デザイナーはじめスタッフの皆さん、大切に使わさせて頂きます。きっとこの印鑑は、由那の一生を見守ってくれることでしょう。由那は幸せですね。」

H様曰く「印鑑レスの社会を迎えようとしている今日この頃ですが、やはり、人生の大事に印鑑は必須です。」とのこと。お孫さまへの愛は、海よりも深く、山よりも高しですね。

篆書体 (てんしょたい) をアレンジした書体