デザインの進化
7月3日に新紙幣が発行されました。ほぼキャッシュレスの生活をしているため、8月が終わろうとしているのに、まだ財布の中には入ったことがありません。新紙幣のデザインには様々な意見があるようで「綺麗」と感じる人は27.6%、「かっこいい」と感じる人は2.7%、「見やすい」と感じる人は4.0%で、好印象を持っている人は全体の34.3%と1/3以上という結果でした。逆に「かっこよくない」という意見は8.0%で、「見づらい」と合わせるとあまり良い印象を持っていない人は11.0%という結果が出ています。一番多い意見は「何も思わない」が46.0%でした。まあ、私もその46.0%の中にいる1人です。もし自分でデザインするなら、金額の英数字の書体をもう少し違うものにするかなあ?といった程度です。興味のないものはどうでもいいという性格なのです。
以前Instagramのロゴマークが変わる時、大きな反発がありました。現時点ではInstagramは急成長を遂げ、これにはロゴリニューアルが大きく関係していました。このロゴ変更は「写真の加工・投稿アプリから、それ以上のコミュニティーに成長するための土壌づくり」という意図がありました。古いロゴマークはカメラを強く連想させ、「写真投稿のための写真加工アプリ」というイメージが強く、その領域を脱却する必要があったとされています。人は変化を嫌うので、慣れるまでは拒否反応を抱くのも仕方ないですが、見慣れてしまえば今のロゴマークが当たり前で何とも思わない、むしろシンプルで素敵なデザインだと思うようになります。ただInstagramは、写真投稿アプリのままであって欲しかったという思いはあります。
ジュエリーのデザインはというと、昔からそんなに変わっていません。大きく変化したものは、あまりにもアート性が強く本来のジュエリーという概念から外れるような気がします。ジュエリーは新しい要素を加えながら少しずつ変化していく、そんなものだと思います。例えるなら、ヴァイオリンが誕生したのは16世紀初期ですが、色々と変化しながら現代のヴァイオリンの形状がほぼ完成したのは19世紀初頭で、同じように見えても細かいところが変わっています。ジュエリーも現代のものと古いものでは細かい違いがあり、見れば大体いつの頃のものか分かります。ジュエリーのデザインが時代とともに少しずつ変化してきたように、新紙幣もまた、私たちの生活に自然と溶け込んでいくことでしょう。変化を受け入れ、新しいものに慣れていく過程もまた、私たちの生活の一部なのです。