「春なんです」いえ「夏なんです」
暦の上ではもう春です。ほんの少し春を感じるようになりましたでしょうか。しかし、この冬は昔のように凄く寒いと感じる日は少なかったように思います。「寒さで耳がちぎれそう」なんて思ったのは神戸の山地に住んでいたからでしょうか。それとも、歳を取って寒さを感じにくくなったからでしょうか、あまり寒さが嫌でなくなってきています。
何を今更感満載ですが、最近 "はっぴいえんど"の「風街ろまん」というアルバムにハマっています。大滝詠一・細野晴臣・松山隆・鈴木茂の4人グループです。それはそれは凄い人達の集まりですが、実はこれまで"はっぴいえんど"の音楽は真剣に聴いてこなかったという経緯があります。アナログレコードで音楽を聴くようになり、昨年11月にリイシューとして再売されたアルバム3枚が気になっていました。「新品のアナログレコード盤を買うなんて邪道だ!」なんて思っていましたが、1971年当時のレコードは、よほど好きでないと、まず買わないであろう高額になっているので、ものは試しに2023年盤を買ってみました。
「夏なんです」「風をあつめて」 細野晴臣作曲、松本隆作詞の叙情的な作品に心打たれています。これらの曲は、まるで宮本輝の小説を読み終えたような、そんな情景が浮かんできます。1971年といえば丁度、広島県から山口県へ転校した小学2年生の頃のそんな時代に、若干22,3歳の若者がこんな曲を書いたなんて驚きです。今になって初めてこのアルバムの凄さが分かったというか、60歳になった今だからこそ分かったと言っても良いのかもしれません。洋楽ばかりに目を向けていましたが、邦楽も捨てたもんじゃないですね。残り2枚のアルバムもきっと買うと思います。
はるうららの
春なんです
それで ぼくは
まだ持たざるレコード
きっと全部買ってしまうんです
作詞:おかだくにあき