
『名もなき者 / A COMPLETE UNKNOWN』
久しぶりに映画館に行ってきました。最近はPCで古い映画を観ることが多く、映画館を訪れるのは2022年に「土を喰らう十二ヵ月」を観て以来となります。やはり映画館で観ると音響の迫力が全く違いますし、小さな画面では味わえない魅力があります。あと、60歳からシニア料金で映画を楽しめるのも、とてもありがたいですね。
今から約20年前のことになります。知人が「無人島にアルバムを3枚だけ持って行くなら、必ず『Highway 61 Revisited』は選ぶ」と話していたのがきっかけで、ボブ・ディランを聴いた最初となります。
2016年には、ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞しながらも授賞式を欠席したニュースが話題になりました。その際、「きっと歌詞が評価されているのだろう」と思いつつも、具体的にどんな内容なのかを調べることはなく、気になるまま放置していました。
さて、今回観た映画は、「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」という、ボブ・ディランのデビューから、大ヒットアルバム『Highway 61 Revisited』を生み出すまでの約5年間を描いた物語です。この映画のタイトル「A COMPLETE UNKNOWN」は、アルバム収録曲「Like A Rolling Stone」の歌詞の一節です。
正直言って、シビレました。あまりにもカッコ良すぎました。若きボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメは、ディランの複雑で揺れ動く内面を見事に表現しており、さらに歌や演奏をすべて吹き替えなしでこなしています。俳優がここまでできるとは、ただただ驚くばかりです。
帰って早速アコースティックギターを引っ張り出し、「Blowin’ in the Wind/風に吹かれて」を弾いたことは言うまでもありません。