都内の美術館の一つに旧朝香宮邸“東京都庭園美術館”があります。古い建築物が好きな私は頻繁に訪れている建物でもあります。

現在「邸宅の記憶」開催中です。今回の見所の一つは、特に一堂に拝見することができる大量な※“ボンボニエール”たち！古くから皇室、皇族では記念品として記念日の“ボンボニエール”が製作され、記念品としてお渡しされるそうです。※ボンボン(砂糖菓子）を入れる器

明治天皇御一族関係、大正天皇御一族関係、現在の上皇様ご家族関係まで、たくさんの記念日がおありだったと想像できます。小さなものですが、どれもこれも愛らしいデザインです。一堂に拝見するのは圧巻でした。ほとんどがシルバー製の中、朝香宮家から大給家へ嫁がれた第二皇女子湛子様の婚礼の際のボンボニエールは戦時中の世情に配慮して木製だったのが印象的でした。後で、当時は仕方ないとはいえ、かなり残念に思っていらしたとご子息の大給氏がそっと語ってくださいました。

この展示会期中「家族が語る朝香宮家の人々」と題して、ご子孫お二人のトークショーがあり参加させていただきました。政府に返還される前の、貴重な映像と共にいろんなお話しを聞くことができ、とても有意義な時間でした。確かにこの建物に生活をされていらしゃったご家族がいらしたのだと実感しました。展示品の一つ一つにエピソードがありとても感慨深いものでした。

今では東京都の美術館となり、明治天皇の允子内親王様の嫁ぎ先である朝香宮家邸宅として、パリ生活で培った允子様のセンスとこだわりが存分に詰まった素晴らしい建物を楽しんでおります。邸宅にまつわる展示の楽しみの一つは、普段展示の際には立ち入り禁止の最上階にある温室“ウィンターガーデン”の見学ができること。気持ちの良い空間です。旧朝香宮邸は魅力たっぷりです。

光をたくさん浴びるウィンターガーデン。